◆坐禅の仕方を教えてください

元服の書⑩ 

昔(11歳~15歳頃)の成人式にちなみ、中学・高校生の問いに答えて書いています*

坐禅は、どのようにすればいいのですか・・教えてください。

貴方は、毎日、顔を洗いますね。歯を磨いたり、口を漱いだり、男ならヒゲを剃ったりします。

それをしないと、1日中 なんとなく気分が落ち着きません。坐禅も、そうした習慣化できれば、OKです。

朝、起床した時、椅子に坐って、3分間。姿勢を正し、目を半眼にして、肩の力を抜き、ゆっくり1回の呼吸(10秒~15秒)を、ヒトーツ、フターツと数息して6回。またヒトーツ・フターツ~ムーツ。もう1回ヒトーツ~ムーツで計3度18回でOKです。

夜も、寝る前に顔を洗ったり、歯を磨くように、イス禅18回の数息呼吸ができたら、いいですね。別に椅子に坐らなくても、寝ながら、寝禅で寝入ってしまうのもイイでしょう。

要は、「坐禅」は、集中、修行、鍛錬とばかりに、無理やり、骨折りの努力、目標にしてはなりません。正座や結跏趺坐(けっかふざ)は、慣れない人(特に外国人)には、無理強いしてはなりません。姿勢さえ正しければ、手は膝に乗せるか、両手を結んでおくか・・肩の力を抜いて楽で静かな呼吸(数息)に集中できれば、独りポッチ坐禅です。

これなら、外国人も、ワザワザ日本まで来て「ZEN」を学習したり、寺僧の研修を受ける必要はありません。

坐禅で一番、いけないのは、坐禅をすることで何か、良いことがあるのを期待することです。中国、臨済宗の始祖、臨済義玄(リンザイ ギゲン 不詳~867)は、心に「造作する」として激しく否定しています。

欧米に「ZEN」を広めた、仏教学者(禅者)故、鈴木大拙博士は、キリスト教関係者が日本伝来の「禅」を学びたい、入門したいと乞われたら、手前にあるテーブルやドアを「コツン・コッン」とノック(叩い)して「ここよりお入りなさい」と教導したそうです。

 

確かに「禅」は、独りポッチ坐禅をすることが始めであり終わりです。それは、まず数息呼吸の、無理しないイス禅からお始めになるのがよいでしょう。数息だけで、何の造作、想いもない坐禅に成ったら、次に数息を忘れて、千年前の達道の禅者たちが編纂(へんさん)した、無門関や碧巌録など、禅語録のどれか・・アナタの心に引っかかる【一則】の垂示、本則、偈などを素直に読み返す気持ちで(これを粘弄・ネンロウといいます)繰り返し味読してください。解かったつもりの解説不要!

碧巌録は・・【はてなブログ】で「禅者の一語」として意訳。無門関は「禅のパスポート」として意訳中です。

あんまり簡単、単純すぎて、はたして、洗顔と同様に、忘れずに続けられますかナ?