◆元服の書⑤ 答えは【問い?】の中にあり!(5/2 加筆しました)

元服の書⑤ 

真の答えは、その問い?・・の中にあり!

*昔(11歳~15歳頃)の成人式にちなみ、中学・高校生の問いに答えて書いています*

Q:勉強したり働いたりするのは、

何のためですか?

Q:お金を儲けて、楽をして生きるのが,

悪いことですか?

A:昔から欧米(西洋)や中国人・・ほとんどの国で、働くことは奴隷や植民地に任せて、貴族や金持ちの自分(たち)だけが、わがままで好き勝手な生活をして何が悪い・・といった考え方、生き方をしていました。

それと反対に「禅」の世界では・・百丈懐海(ひゃくじょう えかい 720~814)が「1日作さざれば(働かないなら)1日食らわず(その日は食べない)」という、厳しい戒律を作って禅集団を引導しました。

時代は、約1200年前・・美人で有名な楊貴妃・・玄宗皇帝の頃。

その時代に対比してお話します。

唐、玄宗皇帝(35才)の頃、クレオパトラと並び称される有名な楊貴妃が誕生した1年後、彼(百丈)は誕生しています。玄宗皇帝61才の時、蜀の玄琰(ゲンエン)の娘27才。見染められて楊貴妃となります(百丈26才)・・白楽天長恨歌【春寒く華清地に浴を賜う、温泉、水滑らかにして凝脂(ぎょうし・・しっとりした体の意)を洗う】と詠じた如く、華清宮に豪遊している皇帝、取り巻き貴族。やがて・・安禄山の謀反や、道徳退廃のきわみの中で、玄宗皇帝70才、楊貴妃36才・・皇帝に裏切られ、置き去りにされ、遂に祠で首をくくって死亡、路傍の石下に埋められた・・といわれます。

当時、世情一般や仏教徒、禅僧ともに退廃、堕落はなはだしく、百丈は、初めて清規(しんぎ)を制定して、世界に類を見ない道徳実行の禅者となることを宣言したのです。

 

勉強して、金もうけして、楽をして・・人に迷惑をかけなければ、それでいいじゃないですか・・何が悪いのですか・・と、問われれば、何も答えようがありません。

 

ただし・・アナタが「人生 裸(心)で歩むべし」と、独りポッチ禅を提唱する、この私に問いかけてくる・・その問いかけ・・の火を、吹き消さないよう、大事になさってください。

「禅」は(欣求 ごんぐ)宗教ではありません。

昔から求道者は、アチコチ達道の禅者(師)との出会いを求めて行脚(旅)をし、人生とは何か・・の「問答」を行いました。

真の禅者の共通点は・・「悩みは自分(ひとり)で解決せよ」(無門関=門より入る・・これ家珍にあらず)です。見聞、学習など、頭脳や心に取り込んだものは、本当の(自分の)宝物ではない・・の意です。現代の「禅」は、寺院や僧侶、茶華道による生業(ナリワイ)手段として利用されています。例えば、一休や良寛の行跡を、観光禅としたり、集団として修行して悟りに到ろうとしたり、ひどいのは、寺僧が教導したから宗教だ・・と、求道者独り一人が、坐禅して、人生を行脚(旅)する、純禅を認めてきませんでした。

NHKですら、禅に関する放送で、どうどうと「座禅」を薦めます。

真の禅は「坐禅」・・独り一人、それぞれが、屋根のない山中、樹木の下、土や石の上にドッカと坐り、雨、風・・降らば降れ、吹かば吹け・・の覚悟で坐ればこそ・・古来から「座」と書かず「坐禅」としてきました。

たったの3分間、役立たずの「独りポッチ禅」・・思い起こすごと、独りポッチでなさってください。

自分が自分に、ひとり問いかけなければ、自分が本当に納得する答えが出て来ないのが、人間の特性(業とも宿命とも)なのです。尊敬する師や友人や、宗教や本など・・アナタの悩み、苦しみの解決には、参考にこそなれ、真の救いにはなりません。

結論は急がれないように願います。

真の答えは、必ず、そのアナタの問い・・自身の[?]・・の中にあることを自覚なさるでしょう。